オプショントレードの学び方で大切なこと
オプショントレードを学んでいく上で難しいところは、うまくいっている人のやり方をそのまま真似しても自分にあうかどうかが分からないことです。自分にあっているスタイルを見つけるのに時間がかかることといいかえてもいいでしょう。時間がかかるということは、その間、費用がかかる、つまり損失は避けられないということです。たまたまうよさそうに見える方法を見つけても、それが自分にあっているスタイルでなかった場合は、また最初からやり直さなければなりません。こうした、回り道をしている間に、力が尽きてしまうことがあまりにも多いのです。
簡単な方法があるにもかかわらず参加者が増えないわけ
オプションを始めるきっかけは、さまざまです。やはり多いのは「楽して儲かる」方法があると思うことではないでしょうか。日経平均の動きを予想しなくても勝てる方法があるといううたい文句に惹かれて始めるかたが一番多いはずです。しかし、世の中にそんなおいしい話があるはずはありません。そんなに簡単に儲かる方法があるなら、オプション人口はとっくの昔に増えているはずです。
残念ながら、オプション市場のパイはほとんど増えていません。売買高も、個人投資家のシェアも、ザラバの流動性も大きな変化はありません。簡単だと聞いて参入する人はそれなりにいるのですが、同じペースで退場していく人があとを立たないのです。世の中で簡単だといわれる方法も、実は簡単な訳ではなく、特定の局面で大変な難しさを強いられるわけです。簡単にお小遣いが稼げる、毎月年金のように安定収入があがると思っていた方法でも、難しい局面を乗り切る技術を身につけていないと、結局それまで安定的に稼いだものは気泡に帰ってしまうのです。
綺麗なバラにはトゲがある
オプションを始めとするデリバティブは、ややこしそうに見えても結局はキャッシュフローの交換にすぎません。キャッシュフローとは将来の損益の出方です。市場を通じて、売り方と買い方が自分に有利だと思ってお互いがキャッシュフローを交換しているわけです。
オプションをトレードすることで、無限に近いキャッシュフローの出方を手にすることができます。一見良さそうに見えるキャッシュフローの出方にも、必ず弱点や落とし穴があります。とくに勝率が極端に高い方法や、一攫千金が狙える方法は、実は難易度がかなり高いのです。難易度の高い方法は、大きな心理的な負担を伴います。オプションに限らず、短期のトレードにおいては、精神状態が安定した中で冷静な判断ができないとうまくいきません。しらずしらずに難しい心理負担のかかる方法を選んでいたのでは、冷静な思考できるはずはありません。オプション人口がなかなか増えないカラクリはここにあるのです。
いろいろなトレードスタイルの全貌を知ること
オプションで必勝法といわれるものは、潜在的なリスクを軽視して過去の特定の難局面をたまたまかいくぐっただけのものです。いろいろな方法がある中でいいとこだけを取り出した極めて偏った特殊な方法なのです。そのような勝率が極めて高いけど、特定の局面において難易度の高いものの本当の正体を知らずにトレードするのは、最初から退場予備軍になるだけです。
勝率をある程度落とせば、難易度はかなり落とすことができ、扱いやすくなります。最初のうちこそ、心理的な負担がかからない方法を選ぶべきなのです。難易度の高い方法はある程度オプションの怖さが本当にわかってから取り組めばいいのです。そのためには、オプションを使ってどういうトレードスタイルがあるかという全貌を最初に大まかに知るということは重要なのです。