匠のオプション「トレーダー養成講座」
日経平均オプションの基礎から応用。ボラティリティを味方にしてトレードスタイルを広げましょう。
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トレード関連

オプショントレーダーにとってグリークの中で意外と侮れないデルタのリスク

グリーク

グリークと呼ばれるギリシャ文字を使ったリスク指標があります。グリークは、いろいろな要因に対するオプション価格の反応度合いを表します。このグリークを見れば、損益の出方の特徴がだいたいわかります。

グリークは、オプション価格の変化をいろいろな角度から見たものです。オプションは他の商品とは少し変わった損益の出方をするので、いろいろな角度から見ておかないと、思わぬところで足を踏み外す可能性があるのです。グリークを自分で計算するのは大変ですが、見る分、読みこなす分には少しの慣れがあれば大丈夫です。そうはいっても、いきなり理屈でグリークを理解しようとすると、簡単に挫折します。おすすめは、グリークの特長がよく出るポジションを実際に持って、実際の損益の動きを追いながら、グリークを観察して場数を踏むことです。

あくまでも、グリークは理論的な話なので、市場におけるオプション価格の値動きを必ずしも正しく表すわけではありません。では、知らなくてもいいかといえば、必ずしもそうではありません。グリークを中途半端に知っていてもあまり役には立ちませんが、「正しく」知っておけば、オプションの落とし穴にはまる可能性を確実に減らすことができるのです。

デルタ

デルタとは、日経平均の動きに対してオプション価格がどの程度連動するかを表すグリークです。-1から1の範囲で表します。デルタ-1とは日経平均が100円上昇したときにオプション価格が100円値下がりすることを表します。ディープインザマネーになったプットのデルタは-1に近くなります。デルタ0とはオプションがほとんど無価値になって日経平均の動きに反応しなくなったことを意味します。満期が近づいたアウトオブザマネーのオプションです。

トレードをする上では、この-1から1までの数字では扱いにくいので、ラージ先物の枚数に換算して使います。デルタ-1のオプション1枚はラージ先物1枚売ったのと同じ効果があるわけです。

ガンマ

ガンマは日経平均の小さな動きに対してデルタがどのくらい変化するかを表します。小さな動きというのがミソで、動きが大きくなると誤差が大きくなります。通常日経平均が1%動いたときの1%ガンマか日経平均が100円動いたときの100円ガンマのどちらかを使います。日経平均だけを取引している場合は100円ガンマの方が直感的には分かりやすいと思います。100円に拘る必要はなく、小さい単位であれば実践上問題はありません。10円ガンマを使ってもいいのですが、普通の投資家はガンマリスクを日経平均が10円動くたびに見る必要はないでしょう。

ガンマもデルタと同様に先物の枚数に換算して使います。日経平均が100円動いたときに先物換算デルタが何枚変わるかという数字を使います。このように先物の枚数に換算することで、オプションのリスクを先物に置き換えて把握することが可能になります。

ベガ

ベガはわかりにくいグリークです。予想外の損益をもたらす曲者なので、正しい理解が大切です。インプライドボラティリティが1%変化したときにオプション価格がいくら変化するかという数字です。これは先物の枚数には換算できないので、損益の変化として金額換算します。その場合、インプライドボラティリティが1%変化したときの、ポジション損益の変化を表します。

複数のオプションを持っていると、それぞれのオプションのインプライドボラティリティが同じ量変化することはありません。コールに比べ、プットのインプライドボラティリティの方が、上がる場合も下がる場合も大きくなりやすいという特徴があります。ここが、ベガを扱うときの最大の注意点になります。

セータ

1日後にオプション価格がいくら減価するかというグリークです。この場合、日経平均だけではなく、そのほかのいろいろな条件が変わらなかった場合という条件付きの理論的な減価ということです。セータも実践上では、金額に換算して、1日後いくら損益が変化するかという数値に変えて使います。

侮れないデルタ

オプショントレーダーにとって、どのグリークが大事でしょうか?

ガンマは損益を急加速させるので、要注意ではありますが、あらかじめある程度予測はできます。日経平均の方向性に意見や読みがあれば、先読みすることでデルタの一部として扱うこともできます。一方、ベガの影響は予想が難しいため扱いにくいグリークだといえます。ボラティリティの方向と変化幅を予想することは難しいのですが、ボラティリティにはある程度習性があり、日経平均の水準とある程度相関性があります。日経平均のいくつかシナリオを考え、ボラティリティの習性と合わせて考えれば、あらかじめベガの影響を何パターンか予測することができます。心の準備ができていれば、予想の範囲内の変動であれば冷静に対応することができます。

セータは、そのまま実現することはほとんどなく、セータを直接意識することはあまりないかも知れません。参考数字として頭に入れておき、ガンマの副産物として扱うことが多いでしょう。

扱いにくさからいえば、ベガが最も難しく、先物の売買で簡単に取り除くことができるデルタが最も扱い易いといえます。

オプションは日経平均の上下を正確に当てる必要がないから簡単だといわれることもあります。しかし、この意味することは、デルタのリスクを取り除く方法があるから日経平均の上下を予測しないでもいいといっているにすぎません。

オプションにはガンマがあるのでデルタを常にゼロに保ち続けることはできません。また、ベガの影響は一瞬にしてデルタが出現するリスクと考えることもできます。実はデルタのリスクを取り除くデルタニュートラルという方法は、デルタが最も危険であるからこそ、取り除いていると考えることもできます。

突き詰めていくと、オプションというものは、増えたり減ったり突然発生したりするデルタとの戦いだといえます。デルタとの戦いに勝つには結局日経平均の水準を的確に当てるしか方法はないということにもなるのです。

まとめ

オプションはボラティリティトレーディングといわれることがあります。そしてボラティリティトレーディングとは、変動の幅を見計らって、出現したり消滅したりするデルタを適切にコントロールするということにほかなりません。オプショントレードとは、デルタニュートラルを基本にしながらデルタを日経平均の方向を予測しながら、傾けたり傾けられたりする戦いだといえます。つまり、デルタコントロールがオプショントレードの本質なのです。デルタの扱いをおろそかにするわけにはいかないのです。

オプショントレーダーにとってグリークの中で意外と侮れないデルタのリスク
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